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執筆者の写真Takeshi Sekine

経営者の不安は、ルーティンで解消できる

 経営者は孤独であり、常に不安・孤独と戦っている。なんて話を聞く事もありますが、確かにそういう一面はありますが、ずっとそんな状態になっている人はおそらく少数です。何らかの方法で、恐怖や不安をマネジメントして乗り越えていきます。正月の夢で出てきた過去の出来事から、私が過去に大きな不安を乗り越えられた要因について「なるほど」と思えることがあったので、ご紹介させて頂きます。私の経験した事にはなりますが、おそらく普遍的な話であり多くの方に当てはまるのではないかと思います。


経営者の不安は、ルーティンで解消できる



私が最も不安を感じていた暗黒時代

 思い出すだけでも辛い気持ちになるような経験でした。それは、家業の社長に就任して3期目の9月の出来事です。会社の業績は社長就任以来、伸び続け増収増益が続いていました。そんな最中に、ご存知の方も多いと思いますが、私は取締役会で親族からの起案によって解職(代表取締役の職位を失う=平取りになる)されてしまいます。何か犯罪を犯したとか背任行為を働いていたわけでもなく、身内の一方的な都合によって社長の座から引きずり降ろされました。私が抵抗できなかった理由として、自社株の持ち分比率が低く、全く抵抗できる状況ではなかったんですね。また親族以外の取締役会メンバーは解職動議に賛成するよう仕込まれており、なすすべがありませんでした。当時、お世話になっていた弁護士先生にもご相談しましたが「関根さん、勝てません。無理です。」という話になり、この段階で私の人生は180度変わってしまうのです。


通常であれば、社長職を切られた時点で会社を辞めるのが普通だと思いますが、養う家族もいますし、何名かの方にも「今すぐ飛び出すのは自ら地獄に落ちる自殺行為だ」と諭され、苦渋の選択にはなりますが会社に残る事を決めます。


本当の地獄はそこからです。社長の座を奪われ、完全なお飾りである会長というポジションに就きます。実務や権限を一切与えられず、毎日出勤はしますが終日自室に籠ることが仕事です。その他、月一回の取締役会にも出席はしていましたが、私の発言は取締役会議事録に残されることはなく、居ないものとして扱われるのです。


おそらく、普通の人だったら精神が持たないと思います。しかも、単身赴任で私は家族と離れて1人暮らし。このままこの会社にいても自分の将来はリスクしかない。名誉を挽回できるチャンスもない。常に親族から見下され、嫌がらせを受け、施しを受けて養ってもらうような存在になり下がる。


これが受け入れがたい当時の現実だったのです。


仕事がないから出社しないと「出社していないので役員報酬カット」同じく取締役会に出ていないと「職務放棄」という事で相手に攻め入る材料をわざわざ与えることになるので、辛いかもしれないが、日々の出社、月一の取締役会への出席は必ずするように親しい方々からアドバイスを受けていました。


ただ、これは本人としては苦痛以外の何物でもありません。やることがないのを分かって会社に行くわけなので、監獄に閉じ込められているのと殆ど変わらないんですよ、心理的には。



人生で生まれて初めて「干される」という経験をしました。






表現し難い不安の日々

 「いつ、会社から放り出されるか分からない不安」「どんな嫌がらせを受けるのか予測できない恐怖」「役員報酬も激減されるだろうという恐怖」みたいなものは当然ありましたが、最も辛かったのは「やることがない」という不安の方が大きかったです。


もう少し正確に表現しますと「何のために会社に出社し、何をして過ごせばいいのか分からない」・・・つまり、”一切のルーティンがない状態”になります。



前置きが長くなりましたが、これです。皆さんへお伝えしたい感覚は。



ここから、詳しく説明していきます。





「やることがない」が不安を増強する

  経営の仕事に関わるようになって、過去を振り返りますと不安になっている時は十中八九「やることがない」「やることが決まってない」という状態になっていることが分かりました。


究極の事例として私の経験談を挙げましたが、あれ意外にも実務で困難を突破できずに苦しんでいるときというのは「アレこれ手を広げているが、結果が出ない」という状態に必ずなっていたなと思います。ルーティンがないんです。場当たり的で。


 逆に調子がいい時ってどうかというと、必ずやっている「習慣=ルーティンがきっちりできている」時です。ルーティンのない人は、分かり易く表現すると、ノリで仕事しているのかもしれません。


経営者のルーティンというのは、いろんなものがあります。毎朝、購読する新聞をざっとチェックする。社内を決まった時間に歩き回る。社員と雑談する。ジムに通う。決まった経済誌を読む。会社の数値データを毎日欠かさず見る。データベースの数字を確認する。。。ブログを書く。



いろいろ、あると思います。

私も死ぬほど不安だった時代、何の役割も責任も負わず、干されていた時期にあらたなルーティンを創り出すことによって冷静さを取り戻し、再度、人生設計を考え直し、起業して再起を果たすことができました。



今だからわかるのですが、間違いなく「ルーティン」のおかげです。




「ルーティン」があなたを救う

 ここまでくれば、もうお分かりだと思いますが、不安だなと思ったときにはルーティンとして決めていることを止めず、むしろ普段より集中してやってみてください。もし、ルーティンがないという場合は、あらたにやることを作ってください。


必ずしも仕事の一部である必要はありません。自分の一日の生活の中で、必ずやり続ける習慣を持つようにしてください。



「ルーティン」は、時間の空白を埋めてくれます。人は時間的な空白があると恐怖を感じたり、余計な事を考えてしまってマイナス思考が強くなったりするようです。

「ルーティン」をやっている間は、余計な事を考えずに済みます。私の場合も「ルーティン」の繰り返しによって”空白の時間”が少なくなり、徐々に自分を取り戻すことができるようになりました。


おそらくですが、普段から「ルーティン」がある人は人生も大きく波打つことなく、困難が向かってきても「ルーティン」を続けることによって自分を安定させ続けているのではないかと思います。


どんなに辛いことがあっても、「ルーティン」を持っている人というのは「ルーティン」そのものが精神安定剤のような役割を果たしているのではないかと思います。




まとめ 

~不安を感じたら「ルーティン」を活用しろ~

 これは私の経験上、間違いないと思います。経営者であるアナタ、必ず自分の「ルーティン」を持つようにしてください。必ずしも「仕事に直結する業務」である必要はありません。むしろ、仕事に直結しない習慣の方が良いと思います。


それがあれば、気持ちを冷静に保てると思いますし、危機を乗り越えることができるでしょう。イチロウはじめ、多くのスポーツ選手が示している通り、戦う職業である社長にも「ルーティン」は絶対に必要です。


「ルーティン」を持つようにしてください。



以上、ランナーズ関根でした。







<おまけ>

私が地獄の底にいたときの「ルーティン」はこれ(=プラモデル制作)でした。仕事もなかったので、ひたすらプラモデルを作っていました。作りながら、少しづつ次の生き方を考えられるようになり、それまで自分が経験した事業承継・経営者経験を生かした仕事をしようと思い付き、実際に起業し、新しい人生を歩き始めることになります。


 当時は、とにかく空白の時間を埋めたいという心境でした。最初はネットで動画観たりしていましたが、アウトプットがないものは何もしていない事と同じでした。そこで、何らかのアウトプットがある習慣を持とうと考えていた時に、たまたま息子から飛行機のプラモデルを作って欲しいと頼まれ、始めたのがきっかけでした。仕事とは全く関係ありませんでしたが、制作を続けることで腕も上がり、仕事ではありませんでしたが自分の成長が感じられました。その結果、もう一度、ビジネスの前線で経営者の道に戻ろうという気持ちを持てるまでに変わっていきました。プラモデル制作という「ルーティン」で私は救われたのでした。起業後、一切作っていませんでしたが、昨年末から3年ぶりに再開しています。












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