社長に就任し最初に行った仕事について今回はご紹介させて頂きます。ズバリ、金融機関への挨拶です。
金融機関詣で
おそらくアトツギの皆さんも最初の仕事は、金融機関への挨拶だろうと思います。私も登記が済む前に名刺を作り、早めに挨拶に行きました。急いで行けばよいというわけではなく、ちゃんと「手土産」が必要なのです。金融機関は、これまでの取引実績だけで後の取引を判断するのではなく、「新社長の出来栄え」で融資に対する判断も変えます。なので、ただ新しい名刺をもって「こんちは!社長交代しました」で挨拶いくのは、西部劇の世界なら丸腰で決闘に挑むようなものなのです。
社長になることが決まって、2週間と経たない期間で主要取引先銀行へ挨拶に回りました。この時、自分一人で挨拶に行くのではなく信頼できる番頭と一緒に2名で挨拶に向かいました。理由は、自分一人ですと聞き漏らすこともありますし、聞きたいことを聞けない可能性もあるため、信頼できる番頭と一緒に出掛けました。やっぱり2名ででかけてよかったなと思います。普通なら、先代社長が後継者を連れて銀行へ挨拶に行くと思うのですが、私の父親はそのようなことは一切しませんでした。でも一緒に行ったら行ったで、自分の話をガンガンし始めて挨拶にならかなったと思うので、これでよかったとは思います。
ちなみに、私が弟と社長交代するときは、主要金融機関へのあいさつ回りのアポ入れからすべて私が手配して、弟を連れて歩きました。普通、こうなると思います。
手土産について
これが、メチャ重要であり、絶対にアトツギの皆さんにはやって頂きたいことです。
銀行への手土産というと「新規融資の依頼」と考える方もいるかもしれませんが、違います。。。
銀行への手土産とは「銀行を安心させる材料」です。
後継者として自分は会社をどう見ていて、どんな課題、どんな可能性を見出しているのか、そしてその対策、仕上げに直近の業績予測+3年間程度の経営計画、進行中の新規事業の可能性に関する資料を作成して持参するのです。しかも、これを見やすくコンパクトにまとめた資料が必要です。むろん、社長である自分がすべて作ります。これを私は2週間以内で作り上げ挨拶に出掛けました。
結果、どうだったかというと「大絶賛」されました。
支店長の皆さんは「素晴らしい!」を連発されていました。
このアポイントにより、支店長の皆さんは私を受け入れてくださり、本当によくしてくださいました。退任した今でも、当時、お世話になった金融機関の各支店長とは連絡を取り合っており、お世話になった支店長のうちのお一人が、たまたま池袋へ転勤となったため、池袋支店で当社の口座を開設し、現在もお付き合いをさせて頂いています。
商売と同じなんですが「相手が今いちばん望んでいるものは何か?」という事を見定め、ジャストミートする解決策や情報を提示すれば結果は出ます。今回のケースでは「私がどんな人間で、経営者としてどの程度のポテンシャルがあるのか見定めたい」というのが支店長クラスの「望み」でしたので、それに対する答えをぶつけたわけです。
この時は、番頭さんの協力もあっていい仕事だったなーと今でも爽快感を思い出します。
でも、ここで調子こいちゃいけないと思い、それまで父はほとんど銀行に行くことがなかったのを、私は用事があれば自分から銀行へ行って支店長に会うよう謙虚さを忘れないように努めていました。
なんか、自慢話みたいになってしまいましたが、もし、金融機関へどんな資料を作って持参すればいいのか悩んでいる方がいれば、お気軽にご相談ください。私がやったことがベースになりますが、アドバイスはできると思いますので。
終わり
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