入社して初月から取組めるタスクです。
どんな企業、商売でも必ず競争相手がいます。そして市場という限られた資源がある。最初に把握しておきたいのはココです。自社が市場でどんな存在なのか把握しておきたい。地味な作業ですが、とっても大事。
私の場合、サラリーマン時代に営業系職種しか経験がありませんでしたので客先へ一日も早く回りたいという気持ちは強かったですが、丸腰でお客さんの前に立つのは自殺行為と考え、多少の準備は行いました。お会いする相手も「後継者」という目でこちらを見てきますので、たとえ平社員のポジションで入っているとしても、そこは一般社員とは違うという事を認識すべき。これは言わずとも、アトツギの皆さんなら分かりますよね。
では、何から調べるか?
これも正解はありませんが、私の場合は競合他社、主要取引先を時間をかけて調べあげました。どんな人たちが自社の製品、サービスを利用しているのか?お客様にとって、当社の製品、サービスを利用することで何が得られるのか?つまり、自社の本質的な価値を探りました。
経営関連書籍では、よくポジション、強み・弱み(SWOT分析)を把握しろと言われますが、自社の強み・弱みを知るためには、競争相手を知っていないと客観的な強み・弱みをあぶり出すことができない。そのため、私の場合は表に出ている情報だけでなく、コストをかけて競合他社と思われる会社を調べあげました。営業マンに競合他社を聞くことも手段の一つですが、それだけでは多面的に競合相手を知ることができない。経営者になるのであれば、もっと深い部分まで知る必要があるからです。社員から得られる情報は見えている表面の情報にとどまります。時には内部事情なども得られることがあるので、ここはしっかり耳を傾ける必要はあります。
どんな形式でも良いのですが、自分なりに競合分析をやってみるわけです。
そうすると、徐々に他者と自社の違い、強み・弱みが分かってくる。
更に、前途したようにコストをかけて財務データを取り寄せて調べると、聞こえてくる評判、噂話が本当の話なのか、嘘なのか判別できるようになってきます。
私もサラリーマン時代は、損益計算書、貸借対照表なんて読んだこともありませんでしたので、最初はちんぷんかんぷんでした。業績の推移がどうなっているのか?、利益率がどうか?、どの部門の売上が大きいのか?ぐらいしか読み取れませんでした。最初はこれでも構いません。
ここまで調べたら、自分なりの分析結果を簡単でいいのでまとめておきます。
人前で派手にプレゼンするための資料ではないので、メモ書きレベルで十分です。
次に、自分の仮説について意見、アドバイスをくれる相手が社内にいるようであれば、話をしてみてください。特に財務関連の予測については、経理部門、経営企画等の部署が存在する規模の会社であれば、ぜひ、ディスカッションしてみてください。最初は財務のことなど分からない事が多いので、自分が理解できる範囲での仮説で構いません。
専門家として仕事をしている人たちなので、有益な意見を話してくれる可能性はあります。こうして、入社して日が浅いうちに社員に助けを求めたり、学ぶ姿勢を見せることは、会社に馴染む上でのテクニックとしても有効です。
加えて、世代交代していないのであれば、現社長に意見を求める事も有益です。
しかし、ここまでは仮説の域です。自分の見立てが正しいかどうか、それを実際に自分で確認する必要がありますが、その前にやる事があります。
次回以降は、そのことについて書いていきます。
アトツギの皆さんにお伝えしたいこと#5
まずは、自社の事を理解する。
自社の外側を調べることで自社の姿をあぶり出し、把握していくことです。
何をするにも、自分(=自社)を知らないと何もできません。
スタート地点は、ここです。
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