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執筆者の写真Takeshi Sekine

自社分析センスはとっても重要

会社を成長させる手段はいろいろあります。アトツギ社長は、一気に会社を成長させようと焦り、いろんなことを試す。経験という観点で無駄なことではありませんが、やみくもにやるよりは基本を知った上で打ち手を考えていきましょう。





会社の強み弱みを正確に分析する

これ、だいたいのアトツギが分かっているつもりになっています。書いている私自身も若いころに会社の分析をした資料を読み返すと「ひどいな、、、こりゃ」という内容です。


なぜ、そうなるか?

それは、自分のやりたい方向性、やりたい事への思いが強く、分析しているつもりが本人も知らず知らずのうちに答えを誘導している可能性があるからです。これじゃあ、結果ありきの分析になっちゃいますよね。


じゃあ、どうすれば良いか?

まず、分析は一人でやらない方がいいです。どんなに会社規模が小さな会社であっても、かならずアトツギ一人でやらず、社員と一緒にやったり、経営者の先輩とやるとか複数人でやった方がよい。もちろん、私のようなコンサルタントと分析する方法も選択肢としてはあります。


絶対NGのケースとして、コンサル会社に丸投げはダメです。特にアトツギの方が社長になった後、お金払ってコンサルに頼むと確実にカモにされるだけなので絶対にやめましょう。


考える上でのポイント

最初は、以下のポイントだけに絞って考えてみてください。

”お客様は、なぜ当社を選んでくれているのか?”


この観点で、理由をリストアップしていきます。

そうすると、根本的な強みとなる理由が徐々に浮かび上がってきます。



”本物の強み”を知る

中小企業では、「本物の強み」というのはその殆どが、希少性があり模倣困難なものが浮かび上がってきます。


もし、強みをリストした中で「安いから」「早いから」あるいは「トップ同士の関係があるから」みたいな項目が上位に来ていたとしたら、ちょっと危ないかもしれません。ですが、長く続いてきた会社というのは必ず”本物の強み”が存在し、それが有効に働いて存続しているのです。それを経営者であるアトツギは、正確に理解しておく必要があります。



”収益に悪影響を及ぼしている弱み”を知る

最初に”強み”、次に”弱み”の順番でやってください。


これを逆順でやると、うまく考えられないことがあります。論理的な理由は説明できないのですが、これは私の経験からのお勧め順です。


皆さん、SWOT分析は聞いたことあると思いますが、コンサルタントに仕事を依頼するとSWOT分析を行って提案を持ってきます。必要な分析ではありますが、前提として強み・弱みを正しく分析できていないと、市場環境などの外部要因を分析しても意味がないのです。

最初は、経営者自身が自社の強み・弱みを間違うことなく探り当てることが大事です。



打ち手の方向性を考える

私が社長時代、自社の強みとしては以下のように考えていました(要約)。

<強み>

  • ニッチで独占的な市場を持っている

  • 利益率が極めて高い主力事業がある

  • 独自の製品・技術の開発力がある

  • 複数の特許を有する

  • 業界内で最強レベルの営業ネットワークを有する

<弱み>

これは非公開。ご容赦ください。



社長就任後、業績を伸ばすための打ち手を考える際に考慮した点が以下になります。社長になって数年が経過した後であれば、以下の条件は変わっていたと思いますが交代直後の自分としては以下のことに留意しました。

  1. 業績に与える影響がより大きいこと

  2. 短期間に実行できて結果が分かること

  3. コストがかからないこと

  4. 現場の社員にとって極度な負荷とならないこと

  5. 強みが生かせること


1-5も考えたうえで、新規事業などを始める前に基礎固めが必要であり、基礎固めは比較的短期間で取り組めて結果も出やすいという判断があり、採算管理の強化=”脱どんぶり”というテーマを筆頭に掲げて取り組みました。この打ち手が、強みをより引き立たせる効果を生み出すことも予測されていました。


このように、打ち手を考える上で本物の強み弱みを探り当てる事がとても重要であり、分析センスがアトツギには求められます。最初は一人で分析せず、自分を支えてくれる幹部(候補)と一緒に考えてみることをお勧めします。




終わり


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